ルージュの伝言 名曲だよね
今回はあのジブリも映画化し誰もが知っているであろう名作の実写版
「魔女の宅急便」
正直期待してなかったけど面白かった
スタジオジブリが作った方の有名なアニメ映画版は原作の1巻くらいを改変して作ったものらしいのですが(原作と結構違うところがあるそうです)
この実写版は原作寄りに作られたもので、話の骨格は皆さんの知る「魔女の宅急便」ですが結構雰囲気が違います
(スタジオジブリも本作との関係を否定している)
私、魔女のキキ
こっちはフルCGのジジ
《あらすじ》
魔女として生きることを決めたキキは13歳の満月の夜、故郷を旅立つ
辿り着いたある港街は自然も美しくたくさんの人で賑わっており、キキは相棒の黒猫ジジと共にこの街での生活を決めることにした
そこで出会ったパン屋のおソノに住む場所を紹介してもらい、キキは空飛ぶ「魔女の宅急便」を始めることにする
しかし上手くは事は運ばなかった……
というあらすじ
これだけ聞くと「魔女の宅急便」なのですが、色々と内容は違います
トンボ。メガネを外すとイケメン
①雰囲気が和風
アニメ版ではいかにも都会な洋風港町、といった感じでしたが(戦争を体験しなかったヨーロッパをイメージしているらしい)
今作はのどかな日本の田舎島、みたいな感じ
(流石に全編田舎描写ではないけど)
メインキャストは全員日本人なので結構雰囲気が合っていて良かったと思います
「キキ」とか「トンボ」みたいに呼びあってもそれほど不自然さは無かったしね
キキとパン屋のおソノさん
ほぼ完璧な配役だと思う
②話がちょっと暗い
ジブリ版が「少女が人と触れ合って優しさや恋を知る」
部分を細やかに描いたストーリーだとすると
今作は
「異端の力を持つ少女が世間に放り込まれた時どのように成長するか」
という部分を描いたストーリーだったと思います
ジブリ版では「空を飛ぶ魔女」である事に町の人々はそれほど奇異の目を向けていません(最初は驚くけど)
宅急便の仕事も人々の生活に割とスムーズに溶け込んでいました
そんな中キキは「お婆ちゃんが一所懸命に好意で作ったニシンのパイを届けるも、実はそれは望まれた贈り物ではなかった」
というちょっと切ない体験をします
自分の届け物をぞんざいに扱われ悩んでいたキキは、画家のウルスラやパン屋のおソノ、トンボとの交流、自分への贈り物を通じて成長していきます
(実写版にウルスラは登場しない)
「自分が人とは違う」事に悩むのでは無く、
魔女の力を失って「皆と同じになってしまったこと」を悩んだり人々の交流の中での心の機微について様々な体験をしていました
今作は「空を飛べる魔女」であることから街の人々はキキに奇異の目を向けています
キキは宅急便の仕事を頼まれることもありますが、「魔女に呪いを届けられる」という心無い嘘に傷ついたりします
(面白がって宅急便を頼んだりしている節がある)
そんな彼女は「私は自転車に乗れない。私からしたら自転車に乗れる方がよっぽど魔法(意訳)」みたいな事を口に出します
「私は皆と同じ」であるのにひどい扱いを受ける事に傷つくのが今作です
この辺りの町の人々が結構リアルな反応と言いますか、いかにも興味本位で利用して勝手に気味悪がる感じとそれに傷つくキキが「ただの13歳の女の子なんだよな」って感じられて良かったです
トンボに自転車を教わるキキ。青春
悪かったというか気になった点としては
①歌手のくだりがやや強引な感じ
②カバを救うための流れが雑
などでしょうか
ジブリ版には無い要素なので詳しくは話しませんが、どちらもちょっとキキと絡めるのが強引な感じがありました
カバの治療とかクライマックスなのに
「それだけ!?」
って感じです(カバのエピソードは原作にもあるらしい)
離島にいる医者。命懸けで会いに行く
ジブリ版に比べて地味な印象がある本作
結構真っ当に面白い作品でした
話のタネにもなりますし、良かったらいかがでしょうか
(終)